アライスペクトラム 社会運動に人をまきこむヒント
最近海外のいろんな社会運動関係のウェビナーで目にする機会がある「アライ・スペクトラム」、日本語圏ではあまり見ないので、自分なりに理解したものを紹介することにした。
アライというのは理解者・支援者などと日本だと翻訳されることがあるが、ざっくりいうと「味方になってがんばってくれる人」のことだ。
桃太郎における猿、きじ、犬などをイメージしてもらえるといいだろう。
鬼を一人で倒すことはできないが、仲間がいたら勝てるかもしれない。みんなが知っている物語だ。
スペクトラムというのは、グラデーションみたいに0か100かではない連続体という意味。
アライ・スペクトラムを日本語に訳すとしたら「味方のグラデーション」みたいな感じだろうか。味方だけではなくて、敵にもグラデーションがいる。味方か敵かよくわかんない人もいる。そういう「いろんな人がいる」というあたりまえのことを、社会問題について考えていると見失ってしまうから、あたりまえのことに名前をつけるのは大切なことだ。
*ちなみに桃太郎のメタファーを使っているので暫定的に「敵」という言葉を使っているが、ぶっそうなので、単に「反対派」でもいいだろう。

George Lakeyによる図をアレンジした
反対側の「極」ばかり気にしない
このスペクトラムの中には、極端に敵や味方である人もいれば、どっちでもない人、その間にいる人たちなど、ばらつきがある。
この中で、私たちが一番気にしがちなのは、だれだろうか。
通常は、はじっこにいる「敵の親分」である。この人たちのことばかり考えて、仲間内では言及し、エネルギーを割く。しかし、実はそこばかりにエネルギーを使うのは落とし穴だったりする。この人たちは、どのみち変わらないが、他の人たちは変わるみこみがあるからだ。
中間層の人たちをどうやって味方サイドにつけるのか。
消極的反対派ぐらいの人をどうやって相手サイドに引っ張られないようにするか。
消極的賛成派の人にどうやって運動に加わってもらえるか。
そういうことを、もっと時間や知恵をさいて考える必要がある。
✅中間層や「極」じゃない人たちに関わろう
一歩、近づいたらすごいこと

赤鬼に対して「わりといいじゃん」と思っているおじいさんがいたとする。
桃太郎にとっては、ざっくりくくれば「反対派」にあたる。
おじいさんは、赤鬼とまったく意見が同じわけではないので、良いタイミングをねらえば、より消極的反対の方に動いてくれるかもしれない。
その具体的な方法は、この図の中ではたとえば「挑発して、より反対派にもっていかれないようにする」「立場を変える機会を与える」「本当の懸念や心配していることを認識する」「反対派への疑いを強める」「人間関係を作る」などと書かれている。
一方、おじいさんにきびだんごを渡すことで、猿、きじ、犬に加わって、参戦してくれるとは思えない。おじいさんは、あくまでスペクトラム上を少し味方側に移動したら、それで十分だ。
✅変化は少しずつおきる
きっかけや人間関係をどう作るか
一方で「一緒にこれやってくれませんか」と頼んだことがきっかけで、より味方へとスタンスが変わる人たちもいる。
さそわれる機会がなかっただけで、やってみたらおもしろくて、もっと関わりたくなって、気がついていたらどっぷり浸かっていた。
なんていうのは、趣味でも、進路・職業選択でも珍しくないことだろう。
ちょっとだけしか関われない人たちの集合体では、大きな変化を生み出すことは難しいけれど、継続的なコミットがあり、関わる人たちの信頼関係もある人たちの集合体は大きなことができる。
ちょっとだけしか関われない人たちが、それぞれ、もうちょっとだけスペクトラムを動いたら、強力なことができる。
「きっかけ」や信頼関係の構築と増強のことを「組織化」と呼んだりもするが、この「組織化」にどうエネルギーをさくかが超大事ということだ。
✅社会運動とは味方を増やし、育てるもの
以上みたいなことを、具体的な社会運動の事例も含めて動画で説明してみた。
もし興味がある人は良ければこちらからどうぞ。YouTube動画作るのが慣れていないので、うまく作るポイントをご存知の方がいたらぜひコメントもお待ちしています。
映像中に出ているゾーイゼファー議員のエピソードはこちらにもまとまっています。
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